根抵当権(ネテイトウケン)
根抵当権とは、一定範囲に属する不特定の債権を、極度額の限度で担保する抵当権のことである。
たとえば、金融機関とその取引企業関係、メーカーと卸・小売商関係のように、継続的に取引が行われ、債権債務が増減する当事者間では、それらの不特定・多数の債権を一括して担保する担保権の設定が必要とされる。(ある企業が銀行から繰り返し融資を受けることが想定される場合、いちいち抵当権設定を行うことは煩雑なため、一定の上限額まで担保することを予め取り決めて担保権を設定したりする。)
この点、民法上、いわゆる包括根抵当(債務発生原因や債権の種類による限定をせず、債権者と債務者との間に生じる一切の債権を担保する抵当権)は認められておらず、根抵当によって担保される債権につき、特定の継続的取引契約によって生じるもの、一定種類の取引によって生じるものなどに限定されている(民法398条の2参照)。
根抵当権は、極度額という枠の範囲内における独立した担保価値の支配権であるから、被担保債権の変更や債務者の変更は可能である。
被担保債権の範囲を変更するには、1元本確定前であること2登記をすることが必要となる。