権利金とは、貸主借主間の利益・不利益の調整が必要な個別的事情のもとで、これを金銭により解決を図ろうとする諸場面で、授受される金銭の総称であり、場面によって様々な性質をもつ便宜的な呼称のことです。
権利金の性質には主に次のようなものがあります。
賃借権設定の対価としての権利金
土地を借りる際に借地人か地主に対し、権利金名目でまとまった額が支払われることがあります。定期借地契約ではない一般の借地契約では、いったん土地を貸すと地主はその土地を半永久的に自分で利用することができなくなり、逆に借地人は強い権利を手に入れることができることから、借地人と地主との利益・不利益を調整するために借地権設定の対価として権利金が授受されることがあるのです。
賃借権に譲渡性を付与する対価
飲食店のいわゆる「居抜き」のように、賃借権の譲渡・転貸をあらかじめ認めめてもらうために権利金が授受されることがあります。
営業権の対価
有名店舗の「のれん」などの営業上の権利・利益を引き継ぐ際に、営業権の対価として権利金が授受されることがあります。
賃料の前払い
月々の賃料を低く抑えながら、それをカバーする目的で、賃料の一部を一括前払いするという意味で権利金が授受されることがあります。