減価償却とは、取得物(建物や車等)の取得金額を、その使用可能期間(耐用年数)の各年ごとに、一定の方法により費用として配分する会計上の手続きをさします。
減価償却の方法には、主に定率法と定額法の2通りがあります。
定額法は毎年一定の決まった額を償却する方法です。定率法は、取得価額から前年までの償却額の累計を差し引いた金額(未償却残高)に対して、一定率を乗じた額を償却します。この方法による場合、実際の償却額は毎年変わることになりますが、一定率を乗ずるもととなる未償却残高が大きければ償却額も多くなるので、取得品が新しい当初ほど償却額が多く、年数の経過とともに減少していきます。
減価償却を行った後の価額を帳簿価額(簿価)といい、取得物の価格を表す指標となります。しかしながら、簿価が取得物の価値を適正に反映しているとは限りません。すなわち、取得物は必ずしも一定の規則(定額、定率)に従って減価するとは限らず、簿価は個別的事情を反映した実際の価額(市場価額)とは必ずしも一致するものではないからです。例えば、同じ年数が経過した物であっても、乱暴に扱われた物と丁寧に扱ったものとでは価値が違うということです。