即決和解(ソッケツワカイ)
和解とは、裁判の当事者が判決が出る前に、話し合いで解決する手続きです(裁判上の和解、裁判外の和解があります。)。
一方、即決和解とは、訴え提起前の和解、起訴前の和解といわれており、訴訟を起こすことなく、当事者が取り決めた内容を和解調書という形で確保する手続きをいいます。当事者間で取り決めた内容をより確実にするための手続きとして利用されます。
具体的には、和解条項案を記載した書面で裁判所に申立てを為し、それが受理されると裁判所より和解期日が指定されます。その期日に当事者らが集まって和解内容を確認し、それを和解調書としてのこします。
当事者の取り決めた内容を確実化させる方法としては、公正証書の作成という方法もありますが、例えば、不動産の明渡し請求権の強制執行を可能とするものを確保するような場合には即決和解の方法が用いられます。公正証書が不動産の明渡しの債務名義としては使えないのに対し、和解調書は執行力を有するので訴訟提起を経て判決を獲得する負担を負うことなく、すぐに強制執行を行うことが可能となるのです。
強制執行を行うにあたっては、即決和解をした簡易裁判所の書記官に執行文の付与をしてもらい、強制執行の申立書に執行文を添付して、地方裁判所執行官に強制執行の申立てを為します。