民法上の錯誤とは、表示と内心に不一致があり、表意者がそれを知らずに意思表示をした状態のことをいいます。
民法は、当該錯誤が法律行為の要素に関するものであったとき、法律行為を無効とすると定めています。
ただし、いかに要素の錯誤であったとしても、表意者において錯誤に陥ったことに重大な過失があった場合には無効を主張することはできません。
言い間違いや書き間違いなどをさして表示上の錯誤といい、また、評価の低いものを優良物件と勘違いして購入を決めたというよう場合を動機の錯誤などといったりします。
動機の錯誤は意思形成の過程における錯誤であり、内心の意思と表示に不一致はないため原則として錯誤無効を主張できないとされています。
もっとも、動機が黙示的にでも表示されていたような場合には、判例上、例外が認められています。