法定地上権とは、土地及びその上に存在する建物がの所有者が同じで、抵当権が設定されている場合で、抵当権の実行によって土地と建物の所有者が別々になったときには、それぞれの所有者間の合意によることなく法律上当然に発生する、その建物所有者が土地を使用収益することができる権利のことです。
抵当権の実行によって土地と建物の所有者が別々になった場合において、建物所有者はその土地の利用権を取得するとみるのが、社会経済上の不利益を防止することにつながり、当事者意思にも合致すると考えるのが制度趣旨といえます。
法定地上権成立の要件は次のとおりです。
- 抵当権設定当時に土地の上に建物が存在すること
- 抵当権設定当時に土地と建物とが同一の所有者に帰属すること
- 土地と建物の一方または双方に抵当権が存在すること
- 競売が行われて、土地・建物が別々の者に帰属するに至ったこと