同時犯(ドウジハン)
同時犯とは、2人以上の者が、相互の意思の疎通ない状態で、同じ時に、同じ客体に対して犯罪を実行することをいいます。
例えば、AとBが、Cに対してともに殺意をもって発砲し、Cが死亡したというような場合が同時犯の事例といえますが、この場合でもAの弾丸が死因となっていたならばAにおいて殺人罪、Bにおいて殺人未遂罪が成立することとなります。
一方、AとBのどちらの弾丸によってCが死亡したのかが分からないというような場合には、AもBも殺人未遂罪にとどまるということになります。
これに対し、傷害罪においては、特例が規定されており、2人以上の者による傷害の結果については、だれの行為によって生じた傷害結果なのかという点が不明であっても、共同正犯(全員が傷害罪の責任を負う)が成立するとされています。