承継的共同正犯とは、先行者が犯罪の実行に着手し、未だ実行行為の全部を完了しないうちに、他の後行者が先行者の犯罪を知りながらこれに関与して、先行者と意思を通じて犯罪を完了させることをいいます。
この点、実行行為の途中から関与した者に対して、関与する前の先行者の実行行為やその結果についてまで責任を負わせることができるのかどうかが問題とされています。これについては、諸説ありますが、後行者が先行者の行為や結果を自らの犯罪遂行の手段として利用した場合には後行者にも関与する前の実行行為や結果について責任を負わせるべきであるとするのが多数説です。