かすがい現象(カスガイゲンショウ)
かすがい現象とは、刑法学上の罪数理論における概念の一つで、併合罪となるべき数罪について、それぞれの罪がある罪と観念的競合、牽連犯の関係にあることにより、その数罪全部が科刑上一罪として扱われることをいいます。
この概念は判例でも認められているところで、例えば、昭和29年の判例は、住居に侵入して順次3人を殺害したという犯罪について、各殺人罪と住居侵入罪がそれぞれ牽連犯の関係に立つことにより、3つの殺人罪が1つの住居侵入罪によって結びつけられ全体が科刑上一罪となる現象を認めています。