不法領得の意思(フホウリョウトクノイシ)
不法領得の意思とは、窃盗罪等の財産犯が成立するための主観的要件で、判例は窃盗等財産犯を犯す故意とは別に「権利者を排除して、他人の物を自己の所有物として、その経済的用法に従い、利用処分する意思」が必要であることを示してきました。
すなわち、不法領得の意思を持つ者は、権利者を排除して自らが権利者として振る舞う意思と、物を利用し処分する意思がある者のことをいいます。
このように、「振る舞う意思」と「利用処分意思」のどちらかが欠けている場合には、その者には不法領得の意思がないということになります。
たとえば、他人の者を一時的に使用してすぐに返還するつもりである者の場合、利用処分意思は認められますが振る舞う意思まではない者ということになります。