境界損壊罪とは、刑法に規定される犯罪類型の1つで、「境界標を損壊し、移動し、若しくは除去し、又はその他の方法により、土地の境界を認識することができないようにした者は、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」と規定されています(刑法第262条の2)。
本罪は、土地の境界標を侵害する行為を処罰するものですが、このような行為は近隣住民どうしのトラブル等の場面で未だ多く発生している犯罪といえます。土地 に関する権利の範囲を明確にするための境界標を侵害することで権利の明確性を害するものですので、不動産侵奪罪の予備的行為であるともいえます。
本罪が成立するためには、境界標の損壊等の行為によって境界を認識することが不可能となったという結果の発生が必要であり、認識を不可能しない範囲であれば器物損壊罪が成立するのみとなります。