公務執行妨害罪(コウムシッコウボウガイザイ)
公務執行妨害罪とは、刑法に規定される犯罪類型の1つで、「公務員が職務を遂行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、3年以下の懲役又は禁固に処する」と規定されています(刑法第95条1項)。
ここにいう「公務員」の定義についても刑法上規定があり、「この法律において公務員とは、国又は地方公共団体の職員その他法令により公務に従事する議員、委員その他の職員をいう」とされています(刑法第7条)。
「公務」の範囲をいかに解するかという点については、最高裁昭和45年12月22日判決が参考になります。すなわち、「保護の対象となるべき職務の執行というのは、漫然と抽象的・包括的に捉えられるべきものではなく、具体的・個別的に特定されていることを要するものと解すべきである。そして、右条項に「職務を執行するに当り」と限定的に規定されている点からして、ただ漫然と公務員の勤務時間中の行為は、すべて右職務執行に該当し保護の対象となるものと解すべきではなく、右のように具体的・個別的に特定された職務の執行を開始してからこれを終了するまでの時間的範囲およびまさに当該職務の執行を開始しようとしている場合のように当該職務の執行と時間的に接着しこれと切り離し得ない一体的関係にあるとみることができる範囲内の職務行為に限る」べきとしています。