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つくコム通信vol.4(離婚問題のポイント其の1)

みなさんこんにちは。つくコム通信vol.4をご覧いただきありがとうございます。
本日は、「お役立ち法律コーナー」として、離婚問題のポイント其の1について解説します。

離婚に際して決めておくべき7か条

離婚をお考えの場合、双方で取り決めておくべき事項として、7つのポイントがあります。

  1. 子の親権
  2. 養育費
  3. 面接交渉の方法
  4. 財産分与
  5. 慰謝料
  6. 年金分割
  7. 離婚までの婚姻費用分担

大別すると、子どもに関すること(1~3)とお金に関すること(4~7)です。
本日は子どもに関すること(1~3)について少し詳しくみていきましょう。

解説

1 子の親権

未成年の子がいる場合、両親どちらかを親権者(子を養育監護し、その財産を管理し、その子を代理して法律行為をする権利を有し、義務を負う者のこと。)として定めなければなりません。
親権者の指定は子の福祉(幸福)の観点から適切な一方を決める必要があります。
親権者を定める際に重視されている事情につき、裁判例を踏まえて列挙すると次のとおりとなります。

ⅰ 継続性の原則

これまで実際に子を監護してきた方を優先させるという考え方です。
但し、子を奪ったとか勝手に連れ去ったというような場合は不利な事情となります。

ⅱ 子の意思の尊重

子の発言のみで親権者が決定するというものではありません。
子の態度や表情から子の意思をくみとることで判断されることになります。

ⅲ 兄弟姉妹不分離の原則

親の都合でこれまで一緒に育ってきた兄弟姉妹を離れ離れにするのは不適切であるという考え方があります。

ⅳ 母親優先の基準

乳幼児の場合には、特別の事情がない限り母親を親権者とすることが子の福祉にかなう旨示した裁判例があります。
もっとも、親権者は、事案ごとに実際に誰がどのように子を養育することになるかという具体的な事情をより重視して決せられるものです。
母親というだけで必ず優先されるというものではありません。

2 養育費

子どもをどちらの親が引取るかを決める際には、養育費の支払い額を決めておく必要もあります。
では、適切な養育費の額について当事者間で争いがある場合には、どのような基準によって決めればよいのでしょう。
この点、養育費の算定基準を定めた規定というものはありません。
もっとも、平成15年に「東京・大阪養育費等研究会」がまとめた「簡易迅速な養育費等の算定を目指して=養育費・婚姻費用の算定方式と算定表の提案=」が参考になります。
この算定表については東京家庭裁判所のホームページなどで公表されています。
毎月支払ってもらう養育費の額が決定したら、その支払い開始時期と終了時期を決めることになります。
この点、養育費支払い義務の終了時期は、20歳までとされる審判・判決が多数です。(中には、大学卒業時までの養育費の支払い義務を認めた裁判例もあります。)
子どもを大学に通わせようと考えている場合は、当事者間の柔軟な話し合いによって決める必要があるでしょう。
この場合、一言に「大学卒業まで」といっても、将来浪人した場合、留年した場合、大学に行かなかった場合、専門学校に進学した場合などの場合にどうするのかという条件を細かく定めておいた方が、後々のトラブル防止に役立ちます。

3 面接交渉の方法

面接交渉権とは、父または母が子と面接し、親子として接する権利のことをいいます。
面接交渉の制度は、親の権利である一方、子のための制度でもあります。
したがって、子の福祉(幸福)に合致しないケースでは面接交渉権が認められないという場合もあり得ます。
面接交渉権は法的な権利ですから、これが認められた場合には、親権監護権を有する親は面接交渉に協力しなければなりません。
調停や審判で認められた面接交渉が行われない場合、これを実現させるために家庭裁判所に「履行勧告」を求め、裁判所から監護権者に対し勧告してもらうことができます。
それでも面接交渉が実現されない場合には強制執行手続きを検討せざるを得ない場合もあります。
強制執行の方法として、親子を強制的に引き合わせるなどという直接的な方法が甚だ不適切であることは明らかです。
そこで、面接交渉への協力を1回怠るごとに金銭的な支払いを強制するといった方法を用いて自発的な履行を促すという方法(間接強制)が考えられます。

4 まとめ

離婚と子どもに関する問題について簡単に解説しました。
実際の離婚問題ではさまざまな背景事情やあらゆる争点が複雑に絡み合っているケースが多いので解決が容易でない場合もありますが、上記のような視点をもって話し合いを続けることで解決の糸口が見つかるかもしれません。
次回は離婚とお金の問題について解説します。

平成25年3月21日

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