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つくコム通信vol.11(人にお金を貸すときの注意点)

金銭の貸し借り(金銭消費貸借といいます。)の問題というのは、当事務所においても件数が多い法律相談の1つです。1度トラブルに発展してしまうと、自力での解決は困難なケースが多いですから、金銭トラブルを予防することが一番の対策です。

すなわち、お金を貸すという事は、返してもらえない危険を負担するということですから、できるなら避けたいものなのです。

しかし、さまざまな事情からそうばかりは言っていられない場合もあるでしょう。その場合、貸したことと、返すことを約束したことの証拠を残しておくことが大切です。

人にお金を貸すときの注意点

それでは、人にお金を貸す際の注意点をあげてみます。

  1. 相手の返済能力を見極めること。例えば、その人の収入がどのくらいなのか、不動産などの資産はあるのか、あっても担保に入ってないか、他からお金を借りていないか、それらのことを確認しておく必要があります。
  2. 相手の人柄を知ること。すなわち、相手に返済能力があっても、返す気がなければお金は返ってきません。必ず返すよう努力してくれる誠実な人であるかどうかを見極める必要があるでしょう。
  3. 返済時期、返済方法、利息を確認しておくこと。貸したお金をいつまでに、どのように返済してもらうのかを確認しておく必要があります。また、利息をもらうときには、その利率及び支払方法についても決めておく必要があります。
  4. 担保をとること。もし、なんらかの事情で返してもらえないときの為に担保を取ることも検討してみる必要があります。不動産に抵当権をつけるなどの方法が一般的ですが、資産のない場合には資力のある者を保証人・連帯保証人とするということも有益な方法です。
  5. 借用書・契約書を作成しておくこと。お金を借りたら、借用書、契約書のあるなしに関わらず、返さなくてはならないのは当然ですが、様々な事情で、金銭貸借に争いが生じれば、最終的には裁判になる可能性があります。裁判になれば、お金を渡したこと、それを返す約束をしたことの2点についての立証を求められます。

この立証が困難な場合は、裁判所は貸主の敗訴判決を出すことになり、結局は回収できないことになります(立証責任は原則として貸した側が負担します)。これを立証責任といいますが、この立証責任を果たすことは、借用書、あるいは契約書があれば、実現する可能性があります。

しかし、これがないとなると、回収は非常に困難になるといえるでしょう。そのようなことにならないよう、借用書・契約書をとっておく必要があります。

借証書・契約書の記載事項

それでは、実際に借用書、契約書には、どんな事項を記載するといいのかという点をまとめてみましょう。

様々な形式、書き方がありますが、最低限の記載事項として、

  1. 当事者(借主・貸主)の住所氏名
  2. いつ、いくら貸したのか
  3. 返済期日・返済方法
  4. 利息をとるかとらないか(利率はどれだけか)を記載します。

そして、相手方の署名(自筆が望ましい)捺印(実印が望ましい)をもらうことが、大切です。

最初に借用書、契約書を作成しなかった場合は、後に借主に申し入れて作ってもらうことでも構いません。

いずれにしても、金銭消費賃借が存在したことを相手に書いてもらうことが(署名捺印)、もっとも重要なことです。

この金銭消費賃借契約書の内容を公証役場で公証人に説明して書面を作成してもらうと、「公正証書」となります。

基本的には当事者同士で作成する私文書の借用書・契約書と同様のものですが、私文書の借用書・契約書よりは、貸主に有利な機能がついています。

すなわち、公正証書という形にすると、以下のような利点があります。

私文書の契約書では、裁判の際に、「そんな契約書は作った覚えがない。」と相手が言えば、契約の成立を主張する側は、その契約書が真正に作成されたことの証明が求められます。(立証責任)

しかし、公正証書は法務大臣の監督の下にある公証人が、厳密な手続きにより両当事者の意思を確認しながら作成するものであり、真正に作成されたとの推定を受けることになりますので、証明は不要であるということになります。

公正証書は作成されると、原本を公証役場で保管します。(当事者はその写しを交付してもらえます)

仮にこの写しを紛失してしまっても、また、公証役場へ行って原本の写し(正本または、謄本と言います)を発行してもらうことができます。

また、このように原本を公証人が保管してくれますので、改ざんも防止できます。

私文書の契約書の場合は、相手が契約を守らないときは、裁判をして判決をもらい、強制執行をとるという流れになりますが、公正証書の場合は、その内容が一定の金銭支払などを約束するものであるときには、「不履行のときはただちに強制執行に服する」という一文(強制執行受託文言といいます。)を入れることによって、判決がなくても強制執行ができます。裁判手続きを経ずに強制執行が可能となる根拠(債務名義といいます。)を得られるのは大きなメリットです。なお、公正証書を作成するときは、当事者同士の実印・印鑑証明を持参する必要があります。

当事者双方の本人や代理人が公証役場に出頭し、公証人の面前で公正証書にすべき内容を陳述します。

そのうえで、当事者、公証人が署名捺印して公正証書の原本を作成し、当事者は正本の交付を受けることができます。

なお、公正証書の作成には多少の費用がかかりますので、公証役場に事前に確認しておくといいでしょう。

金銭トラブルの予防、確実な回収という点において、万全な方法はありません。だからといって、何の対策もしないことは、無用なトラブルを自ら招き入れる行為といわざるを得ません。

金銭の貸し借りにどのようなリスクがあり、どの程度の回避可能性があるのか、しっかり見極めて行動していただきたいと思います。

平成26年1月20日 弁護士 福嶋正洋

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