サマークラーク生(I.Kさん)による法律事務所つくばコムの研修体験記
平成30年 法律事務所つくばコム サマークラーク参加者I.Kさんが体験記を寄稿してくださいました。
法律事務所つくばコム サマークラーク体験記
1日目 ホテルが自転車の貸出しを行っていたため, 自転車で向かいました。最寄りのホテルでも, 事務所まで徒歩15分ほどかかるので, 自転車を借りることを勧めたいところです。ただし, つくば市は車社会のようで駐輪場がありません。駐車場の脇に置かせてもらう形になります。自転車で来たときは, 必ず先生に申し出て, 駐輪許可をもらいましょう。
到着すると, 自己紹介を兼ねて2分間スピーチを行う運びになりました。
その後, 法律相談が入っていたので, 同席させていただきました。
相談を終えると, 課題を与えられます。商品販売のリーガル・チェックを行ったうえで, 意見(レビュー)を作成するというものでした。慣れない形式に戸惑いつつも, 苦心しながら作成しました。
課題作成の合間, 法律相談が来るたびに同席させてもらえます。初回45分無料法律相談も行っていることから, トータルでの法律相談の数は多いように感じました(滞在期間中は平均1日3~4件といったところでした)。N回目の相談に途中参加するものもあるので, 事実関係の把握すらままならないものもありますし, 初回相談で事実関係もしっかり伝えてもらえるものもあります。
いずれにせよ, 法律相談に同席させてもらえる以上は, 法律論として云々というより, 先生の依頼者に対する接し方を学習する数少ない機会です。
相談後は, 必ず質問の時間を作ってくれます。法律論はもちろん, お客さんに対する接し方, 方針に対する疑問(自分はA案だと思いますが?どうしてB案なんですか?etc.)も応えてくれます。個人的には, 方針に対する疑問はした方がよいと思います。大手事務所になると, どうしても上司の決定した方針のもと, 自分は構成を考えていくということになりがちな印象を受けます。一方, 小規模事務所だと, 自身で方針を決定することになります。その考慮について, ほかでは聞けない話も聞けたりします。そのほか, B案の方がお客さんにとって利益になると考えたら, お客さんの意見がB案になるよう説得(誘導)するのも弁護士としての仕事ですetc. 勉強に現れない部分が聞けると思います。
1日目は, こうして法律相談の合間に課題をこなして終了しました。
2日目 つくば市の地理が少しわかってきたので, 10分ほど早く到着しました。初日以降は, 10分ほど長く寝れるかもしれません。
到着してからは, 前日の課題を仕上げ, 提出しました。事務所のWifiが利用できるので, 先生に送信して印刷してもらえます。
この日は法律相談が4件入っており, 顧問先の中小企業の相談2件, 新規2件という構成でした。
ここでも, 自分はお客さんに対する接し方に注意して見ていました。特に, 新規相談2件のうち, 1件は受任, 1件は保留ということで, 対照的な結論になっているのが興味深かったです。新規受任のタイミングまで見れるというのは, 他所の事務所では中々見られないのではないかと思います。
3日目 事務員さんにマナー講座をしていただきました。ちなみに, サマークラーク期間中に, 秘書検定1級の合格発表があり, 合格されていました。おめでとうございます!
マナーは, ずっと受験生活をしていたので, 正直な話まったく分かっていない分野でした。今後, 靴はストレートチップにしますし, 会釈・敬礼・最敬礼は使い分けます。どの事務所に就職するにせよ生かせる知識まで習得させてもらえます。
午後からは, 法律相談に参加させていただいて, その後お寿司を食べに行きました。
4日目 4日目は, 新しい課題と法律相談に取り組みました。また, 自分は事務所の経営や弁護士として新規ビジネスに取り組むことに興味があったので, コンサルティング業者の方との企画書などを見させてもらいました。
5日目 本日は, お盆の金曜日ということもあって, 相談自体は少し少な目でした。が, その分我々の課題の添削, 講評に半日近く割いて頂きました。その講評も, 通知書という性質上相手方にどう伝わるかなど多岐にわたります。自分が送った通知書に対して, 先生が相手方になって返信をして, 自分が再度返信をするという事件の前段階の交渉過程を書面として残すので, 事件処理の見通しも全部自分で仕上げなければならず(先生の反論を受けて自分の主張のトーンが下がってしまったりしたら恥ずかしいので)自分の立場にこだわってみたり, 実際の仕事に準じた貴重な経験でした。
末筆にはなりますが, 自分が弁護士としてやっていくうえで不可欠な経験を得ることができました。
5日間短い間でしたが, 本当にありがとうございました。(I.K)